fuyunogare’s blog

もと文学乙女の備忘録。

金木犀は好きですか?


季節外れですみません<(_ _)>。



『夜の散歩道』

オジサンは夜、家に帰ると
イヌを連れて散歩に出掛ける

オジサンとイヌはいつも
心の中でおしゃべりをしている

「良い月夜だね」
「明るい月だね」

てくてく歩いていると
いい香りが風に乗ってやって来た

「花の香りがするね」
キンモクセイの匂いだね」

トコトコ歩いて行くと
公園から話し声が聞こえてくる

「ベンチの二人だね」
「仲良しさんだね」

てくてくトコトコ
公園を周っていると

「滑り台が眠ってるみたい」
「ブランコも静かだね」

それから駐車場へ向かって行くと
ネコがじっと座っている

「いつものネコだね」
「いつもの時間だね」

向こうの畑の方から
にゃーにゃーと小さな鳴き声が聞こえる

「おや、白いネコが五匹も居るよ」
「大きいのがお母さんかな」

信号を渡ってしばらくすると
土手の道を大きなイヌと人が横切った

「飼い主さんと走っていたね」
「とても早かったね」

どんどん歩いて行くと
ゴミ拾いをしながら散歩している老夫婦

「優しい人だね」
「きれいな道は嬉しいね」

みんな夜にしか会えない
夜の仲間たち

「良い月夜だね」
「明るい夜だね」







自作の詩です、イメージ絵本です。
誰か本にしてくれないかな←おい